「実用化はしないけど…」
ヨーロッパの航空機メーカー、エアバスではいくつか革新的な設計をもつ「未来の旅客機」のデザイン案を公開しています。そのなかでも際だってユニークな形状を持つものが、2019年に公開された「ワシ」や「ハヤブサ」のようなデザインを持つ「猛禽類(Bird of Prey)」デザインの機体です。
この機体は4発のプロペラを持つハイブリッド電気ターボプロペラ機で、翼は本物の鳥が飛ぶときのように反り返っています。尾翼部分も鳥の「尾」をかたどったと思われる形状のものが備わります。羽は個々にコントロールでき、「アクティブな飛行性能が可能」(エアバス)とのことです。
この機は実際の生物の特徴を模倣する「バイオミミクリー」に基づいたもの。猛禽類の羽をイメージした翼を設置することで、より効率の良い機体ができるのではないかという取り組みのひとつといえるでしょう。
エアバスでは、この「猛禽類」機体デザイン案の公開前、JAL(日本航空)でも導入された旅客機「A350」の設計において、「バイオミミクリー」を取り入れました。「猛禽類」デザイン案は同年に行われた軍事航空ショー「ロイヤル・インターナショナル・エア・タトゥー」にあわせたもので、「実用化するための機体ではないものの、未来のリージョナル(地方間路線むけ)旅客機がどのようになるのかという見識を提供する」ために公開されたということです。
「これはまさに未来の旅客機のカタチだ!驚くべきデザインに感動してしまう。これが実現すれば、空の旅がさらに楽しくなるだろう。」