肉だけでなく野菜の価格高騰も追い討ち、ステーキ店経営者が困惑

2024年5月16日

ステーキ店の倒産危機・・・！
これは世界各国で共通して見られる傾向ですが、特にドイツやその他のヨーロッパ諸国での事例も含めて考えてみたいと思います。

主要な要因

経済的不況:
- 経済全体の低迷や景気後退は、消費者の支出を減少させ、外食産業全体に影響を与えます。特にステーキ店のような高価格帯のレストランは、影響を受けやすいです。
コロナウイルスのパンデミック:
- 新型コロナウイルスのパンデミックにより、多くのレストランが営業停止や営業時間の短縮を余儀なくされました。また、ソーシャルディスタンスの確保が求められる中で、収容可能な客数が減少し、売上が大きく減少しました。
食材価格の高騰:
- 特に牛肉の価格が上昇していることが、ステーキ店にとっては大きなコスト負担となっています。飼料の価格上昇や物流コストの増加が影響しています。
労働力不足:
- レストラン業界全般で見られる労働力不足が、ステーキ店にも影響を与えています。特に熟練したシェフやサービススタッフの確保が難しくなっています。
競争の激化:
- ステーキハウス市場は競争が激しく、新規参入者や他の飲食業態との競争が厳しくなっています。特に低価格を売りにしたチェーン店が台頭していることが、中小規模のステーキ店には打撃となっています。

現状と対応策

デジタル化とデリバリーサービス:
- 多くのステーキ店がオンライン注文やデリバリーサービスを導入し、新たな収益源を模索しています。デリバリー専用メニューを作成するなどの工夫が見られます。
経費削減と効率化:
- 経営の効率化を図り、コスト削減に取り組む店舗も増えています。例えば、食材の無駄を減らすための在庫管理システムの導入や、エネルギー効率の高い設備への投資などが挙げられます。
新たなビジネスモデルの採用:
- ゴーストキッチン（デリバリー専門の厨房）やポップアップレストランのような、新しいビジネスモデルに取り組む店舗もあります。
顧客体験の向上:
- 顧客体験を向上させるための工夫として、店舗の内装をリニューアルしたり、特別なイベントやプロモーションを行うことで、来店客数の増加を目指しています。

まとめ

ステーキ店の倒産危機は、経済的不況、パンデミックの影響、食材価格の高騰、労働力不足、そして競争の激化など、複数の要因が複雑に絡み合って発生しています。

しかし、多くの店舗がデジタル化や新たなビジネスモデルの採用、顧客体験の向上といった対応策を講じることで、困難な状況を乗り越えようとしています。

これらの取り組みが成功すれば、倒産危機を回避し、持続可能な経営を実現することができるでしょう。

　ステーキ店の倒産が増えている。帝国データバンクが調査結果を発表し、2023年度は前年度の5倍となる10件の倒産があったと分かった。2ケタとなるのは2010年度以来初めてで、過去最多だ。

【画像】大苦戦？　ステーキ店の倒産件数推移

　多くのステーキ店で使用している米国産牛肉は、ウクライナ紛争や干ばつなどの影響で飼料用穀物や乾牧草の価格が高騰している。財務省の貿易統計によると、2023年度の平均価格は100グラム当たり200円を超えており、ここ5年間で1.4倍に上昇。より安価な豪州産牛肉の価格も、5年間で1.3倍に急上昇している。

　円安による輸入や輸送費の上昇も、倒産増に拍車をかけている。ステーキの価格は他の外食メニューと比べ割高で、客離れの懸念から値上げが容易でない店舗も多い。そのため、低価格を売りにしてきた小規模店では、急激な仕入れ価格の上昇ペースに耐えられないケースも少なくない。

　肉だけでなく、セットメニューで提供することの多い、サラダに使う生鮮野菜価格も高値で推移している。帝国データバンクは「足元ではステーキ店でも原材料などのコストアップから価格改定が相次ぐほか、豪州産や肩ロースなど安価な生産国・部位への切り替え、サラダバーの種類変更など対応に追われている」とコメントした。

　3月31日までの期間で、負債1000万円以上の法的整理による倒産を集計した。