フロリダ大学はこのほど、中国人留学生1人について今後3年間キャンパスへの出入りを禁止すると発表した。21歳の留学生で、中国学生学者連合会(Chinese Students and Scholars Association)の会長でもある鄭濃濃(ジョン・ノンノン)さんは、規制対象の物品サンプルを違法に代理購入し、中国に運んだ疑いが持たれており、警察当局の捜査を受けている。
事件をめぐってはすでに3人の男が起訴されている。男らはフロリダ大学の学生に報酬を支払い、大学のメールアドレスから生物医学関連の会社に危険薬物や毒物のサンプルを注文させ、大学の実験室に届いた後にそれらを中国に密輸して利益を得ていた。鄭さんは昨年、薬物の注文を容易にするため、メールの署名を改ざんして生物工学系の学生になりすましていたとされる。
鄭さんは「留学生であるため就職活動が厳しかった。主犯格の彭宇(ポン・ユー)被告から時給25ドル(約4000円)の仕事を持ちかけられた。自分は過去に仕事をした経験がなく、当時は問題だとは知らなかった。これまでに、パソコンを購入するための商品券1枚(の報酬)しか受け取っていない」と説明した。
鄭さんは24日に受けたメディアのインタビューで「連邦検察官から今回の件で捜査対象になるとの通知を受け、司法省が刑事訴追の準備を進めており、国外追放される可能性がある」と説明。涙を流す場面もあったといい、「中国に送還されることを一番心配している。学位を取得したい」と語った。
地元紙によると、同大学は本件についてコメントしていないが、広報担当者は過去に「法に反した学生は停学処分になる」と述べていた。鄭さんはまだ起訴されておらず、キャンパスへの立ち入りが禁止されただけであり、停学あるいは除籍なのかを含め、詳しい状況については明らかになっていないという。(翻訳・編集/北田)
<このニュースへのネットの反応>
悪しき種は根絶で
北京直行で。
貰った報酬が商品券1枚だけなのは可哀そうだから、その代わりに密輸をするかのようにフェンタニルを添えて。